昨今感染予防対策や花粉など、自宅の匂いだけでなく、衛生環境面も含め「換気」が注目されています。

感染対策にはもちろんのこと、日常生活の中での生活臭やお部屋の匂い対策には、こまめな「換気」が非常に重要です。そこで今回は、建築基準法で定められている換気設備の種類と特徴を解説していきます。

はじめに

ご自身が生活している部屋ではあまり意識することはありませんが、新築の建材などの匂い、賃貸住宅へお引越しした時の匂い、お友達の家に遊びに行った時の匂いなど、ふとした瞬間に一度は感じた頃がある、部屋の匂い。

よく見聞きする、生活臭と言われるものは、人の汗や体臭などが原因となり、衣服や布団、カーテンなどに付着し、お部屋に匂いがこもってしまい発生します。特に「換気」を意識せず締め切ったままの部屋だと特に匂いがこもりがちになってしまいます。

一般住宅においてあまり注目されない換気システムですが、高温多湿である日本は、いかに通気性をよく建築するのかが問われていました。特に木造建築では、多くの隙間を作り、風通しをよくしています。そして、襖や障子など通気性が高い部材も多く使われています。一方で現代の住宅では、気密性が高くなっており、「換気」がとても重要な役割を果たしています。

シックハウス症候群対策

シックハウス症候群とは、新築やリフォームなどを行った住宅に入居し、目やのどの痛み、めまい、吐き気等の症状を生じる病気のことです。その原因としては建材や家具に用いた化学物質、その他日用品からも発散するといわれている、ホルムアルデヒド等が挙げられます。

この「シックハウス症候群」対策のため、平成15年7月1日以降着工の居室を有する建物については、内装仕上げの制限・天井裏などの制限・そして換気に関係する「24時間換気システムの設置」が義務付けられることになりました。

換気システムの種類と特徴

換気の方法は「自然換気」と「機会換気」の２つに大別されます。

「自然換気」とは、部屋の内外の温度差や風圧などの自然な条件を利用して換気する方法です。自然換気のメリットとしては、機会を使わないので電力を使わないので、省エネ、節電はもちろんのこと、常に外気を取り入れることで室内環境を維持することが可能となります。

一方で、「機械換気」とは、換気扇や送風機等の機械を利用して強制的に室内の換気をさせることをいいます。この「機械換気」システムには３種類あります。

機械換気システムの種類 

第一種機械換気

給気・排気のどちらも換気ファン(機械)で行うのが「第一種機械換気」です。
室内に空気を取り込む給気と、室内の空気を外に排出する排気をどちらも機械の力で強制的に行います。

コスト面では他の換気システムよりも高くなりますが、安定した換気が行えるため、気密性の高い建物に適しています。
一般住宅の他、集合住宅やビルなどで採用されています。また、熱交換器の取り付けが可能なため、寒冷地でも多く取り入れられているシステムです。

第二種機械換気

給気はファンで、排気は排気口から自然に排出するのが「第二種機械換気」です。
給気のみを強制的に行い、排気は自然と換気されるのを待つ方式となります。
病院や工場での設置が多く、一般住宅ではあまりみられません。

第三種機械換気

給気は排気口から、排気は換気ファンで行うのが「第三種機械換気」です。
給気は自然給気で、排気のみを強制的に行います。排気が安定しているので、湿気が溜まりにくく、コストも第一種換気システムよりも抑えることができます。
そのため、一般住宅でも多く採用されています。特に、トイレや浴室、キッチンなど臭気や水蒸気が発生しやすい場所に排気ファンを設置することにより、効果的な換気が可能となります。

空気の流れを考慮した「換気」や「空調」が重要

一戸建てで採用されているのは、主に第一種換気システム(給気・排気のどちらも換気ファン)と第三種換気システム(給気は排気口から、排気は換気ファン)です。

生活を行う上で非常に重要な換気ですが、欠かせないことなのでコスト面も意識したい部分です。そして、外気を取り入れるためクリーニングなどのメンテナンスも欠かせません。それぞれの方法で換気の効果が最大限に発揮されるよう、ハウスメーカーの担当者と相談しながらコスト面やメンテナンスについても確認することをおすすめします。

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